風見鶏の館はドイツ人トーマスさんが暮らしていた邸宅です。
1978年1月に「旧トーマス住宅」の名称で国の重要文化財の指定を受け、北野異人館の近くにある中華学校の学生寮となっていたこの建物を神戸市が買い取り整備し一般公開を始めました。
「いいぞ神戸市、もっとやれ~!」
建設当時を再現した室内には洋家具、トーマス家の写真、西洋アンティークの人形などが展示されています。
NHKで放送された連続テレビ小説「風見鶏」のロケ地になったのがきっかけで異人館の人気が急上昇。
全国から多くのファンが聖地巡礼を行うようになりました。
ちなみに、連続ドラマの内容とトーマスさんとは全く関係がありません。
こちらの館の外観は、
可愛いらしい三角のとんがり屋根にポツンと風見鶏が見られます。
「あっ見たことある」
と思われた方もいるのではないでしょうか
この風見鶏こそが北野のランドマークと言っても過言ではありません。
風見鶏本舗のお菓子も有名でお土産には定番です。
風見鶏は風向きをチェックするために活用され避雷針の役割もします。
また、キリスト教を広めるための布教であり、鶏は魔除けや邪念を払うとされています。
トーマスさんの仕事は貿易商なので貨物船の運航状況が気がかりだったと推測できます。
当時はドイツから荷物を運搬するには船で2ヵ月ほどかかっていたそうで風見鶏を頼りに貨物船の到着を予測していました。
風見鶏から得られる情報を頼りに自分の会社で働く従業員達に適切な指示を出していたのでしょう。
100年以上経った現在でも、その当時活躍していた風見鶏が凛とした姿で残っているのは素敵ですね。
館内の2階には実物大のレプリカが展示されていて、触ると魔除け・邪念を払うとされています。
外壁は化粧に赤レンガが多用され重厚感がありますが木造の建物です。
北野異人館では唯一の赤レンガの外壁です。
赤レンガの外壁にとんがり屋根からの風見鶏は誰もが理想とするお洒落な洋館です。
館内に入らなくても外観を見物するだけで十分見応えがあり異国情緒な雰囲気が感じ取れます。
上方にある天満神社から眺めても、
下方にある公園から眺めても見栄え良し。
夜になるとライトアップされます
館内も外観に見合った質の高いレトロ感が楽しめます。
1階には応接室・居間・大食堂・書斎があり、迎賓館としてお客さんを招いたり商談を持ちかけるビジネスの場として使われていました。
天井も高く開放的な印象を受けました。
大食堂は中世の城をイメージしてつくられています。
トーマスさんが住んでいた当時はたくさんの人と食事ができるように多くの席が用意されていて長い船旅で疲れた人たちをもてなしたそうです。
2階はプライベートの間になって朝食部屋・子供部屋・寝室・客室があります。
当時は2階から双眼鏡でのぞくと船の甲板にいる人が確認できたそうです。
客室の窓から見える並木は全て桜の木でシーズンになると窓を全開にして外を見渡せるようになり奥の方にも天満宮の桜を見ることができます。
トーマスさん一家に起こった出来事を見てみましょう。
館内にはたくさんの写真が置いてあります。
ここの住民を紹介しているだけだと思ったけど違った。
そんな軽い内容ではありませんでした。
館内ではその内容が記されていますが若い世代の人は読まないと思うので要約します。
トーマスさん夫婦の一人娘エルゼさんは横浜で生まれました。
その後神戸に引っ越し、しばらくしてから風見鶏の館を建て3人家族で住んでました。
エルゼさんが14歳の時、ドイツの上級学校に進学するため一時的に一家でドイツに帰国したのですがその時に不幸にも
無敵の大日本帝国 対 ドイツ帝国の日独戦争(第一次世界大戦)が勃発。
トーマスさんは徴兵され二度と日本に帰ることはできなかったそうです。
館も大日本帝国に没収です。
財産も日本に置いてきたのでドイツで貧困生活を余儀なくされました。
その後トーマスさん一家は消息不明になります。
時が経ち、
ドイツ在住のエルゼさんは、神戸市がドラマ「風見鶏」で有名になったこの館を買い取り一般公開を行うことをドイツの新聞で知り自分の存在を日本人記者に伝えました。
そして、神戸市がエルザさんがドイツで生存していることを知ります。
エルザさんが80歳の時に神戸市の招待で日本の我が家に帰ってくることができました。
幼少期に過ごした思い出の地に帰って来ることができて嬉しかったでしょうね。
ちょっぴり感動です。
1979年から計5回再来されています。
写真では品のある外国人のおばあちゃんという印象です。
そして、
1998年、99歳の時にエルゼさんは永眠されました。
パルプンテ神戸の推しは2階にあるモニターです。
昔の神戸港の様子が撮影されています。
撮影したかったのですが撮影禁止でした。
詳しい内容はもう一度風見鶏の館に行って撮影内容を確認してきますので、その後アップデートします。
興味のある方は気長にお待ちください。
高校生以下の学生は生徒手帳を提示すれば無料で入館できます。
お子様が多いファミリーや高校生カップルには嬉しいですね。
風見鳥の館では来館者に楽しんで頂くため様々なイベントを行っています。
閉館後に行われるイベントや「100年前にお連れする執事ツアー」など風見鶏の館を深堀りしていくイベントもあります。
予約制のイベントもあるので公式のSNSで最新情報をチェックするのを忘れずに。
住所 | 神戸市中央区北野町3-13-3 |
TEL | 078-242-3223 |
時間 | 9:00~18:00(入館は17:45まで) |
定休日 |
6,2月の第1火曜日(定休日が祝日の場合は翌日休)
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入館料 | 500円 (高校生以下、65歳以上の神戸市民、障害者等は無料) 2館券(萌黄の館・風見鶏の館)650円 |